ところが、神の恵みによって、私は今の私になりました。そして、私に対するこの神の恵みは無駄にはならず、私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。働いたのは私ではなく、私とともにあった神の恵みなのですが。
(コリント人への手紙第一 15章10節)
パウロは、コリント教会の人々に、福音の本質について今一度思い起こすようにと教え諭す。「私がどのようなことばで福音を伝えたか」と、コリント教会で流行していたわけのわからない「異言」ではなく、はっきりとわかる言葉で伝えたことを強調する。「キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと」(3)「聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと」(4)と、信仰の土台は聖書の言葉であること、そして、復活の主が多くの弟子たちに現れ、パウロ自身にも現れたことに触れ、信仰はキリストに個人的に出会うことで始まることを語る。また全ては神からの恵みであり、人間側に誇るものがないことを強調し、自分の賜物を誇っていたコリント教会を諌めている。
確かな土台に足元を置いての歩むことこそが、教会の成長につながっていく。これが福音に生きるということなのだ。