神は混乱の神ではなく、平和の神なのです。
(コリント人への手紙第一14章33節)
パウロはコリント教会に対し、「考え方において子どもになってはいけません」と、教会が成長して大人となるように強く訴える。教会の成長は人数が増えることというよりも、メンバー一人ひとりがキリストにあって成長すること。
コリント教会では、異言の賜物が与えられたと自慢し教会の中でひけらかす者ばかりとなり、初めて教会に来た人の前でも異言で語ったり祈ったりしていたが、それでは教会は狂人の集まりだとみなされるだけであり、教会の成長にはつながるわけがないとパウロは指摘する。そして、解き明かすものがいない状態で異言を語ることをかたく禁じている。もし本当にその異言が神からものであれば解き明かすことができ、混乱を招くことにはつながらないと、当時のコリント教会で流行っていた「異言」にはパウロは懐疑的な姿勢をとっているとも受け取れる。
平和の神からの霊を受けている私たちは、お互いに愛の絆により結び合わされ、秩序を保ちながらキリストのからだとして成長していくことを求めていく──それが教会なのだ。