詩篇13篇
私はあなたの恵みに拠り頼みました。私の心はあなたの救いを喜びます。(詩篇13:5)
この詩の作者ダビデは、苦難・苦悩の中で疲労困憊し、神から忘れられているかのように感じ、いつまでこんな状況が続くのかと神に不平不満をぶつける。さらに「敵が私の上に、勝ちおごる」と、自分の命を付け狙う敵に窮地に追い込まれていることを吐露する。現代に生きる私たちも、命を奪いかねないさまざまなストレス・苦悩の中で、もがきながら生きている。このような中でも、ダビデはなおも、神に祈る。ダビデは愚痴をこぼしながらも、神以外に頼るべきお方はいない、自分の叫びにの声に耳を傾けてくださっているという確信を持っていたのだ。そして一日中悲しみの中にあった彼の心は、いつしか「 私の心はあなたの救いを喜びます」(5)という喜びに変わっていく。周りを取り巻く状況は何も変わっていなくても、まだ目に見えない救いを彼は先取りしていたのだ。さらに「 主が私を豊かにあしらわれた」とどんな状況の中でも、神は豊かにもてなしてくださることを歌っている。
この目に見えるものがすべてではない。目に見えないものの中に真実が隠されている。天地万物をお造りになった神様以上に信頼できるものなど、どこにもないはず。私たちは、この神を仰ぎ見、この神様を信頼することで、望みの喜びを先取りすることができる、今から天国の前味を味わうことができる。この神を信じるときに、悲しみの人生が、神を賛美する人生へと変えられていく。