信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。(ヘブル12:2)
(使徒7章より)
議会に引き出されたステパノは、はっきりと,キリストをあかしするチャンスととらえ、長い弁明・演説を始める。「私たちの父アブラハム」と、自身が信じる神はユダヤ人の神と同じであり、アブラハムを父祖とする救済の歴史が、イエス・キリストによって成就することを語っていく。
神から「あなたの土地とあなたの親族を離れ、わたしがあなたに示す地に行け」と言わたアブラハムは、どこに行くのかを知らずに旅立った。その時、75歳。彼は、「子どももなかった彼に対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束された」(使徒7:5)その神のことばに、ただ聞き従う人物だった。
同時に神は、「彼の子孫は外国に移り住み、四百年間、奴隷にされ、虐待される」(6)と、艱難の時代を通り過ぎることも語る。神は試練の中でもともにあり、やがて脱出の未知を備える真実なお方であることを、神は出エジプトの歴史をもって証明なさった。
わらにステパノは、アブラハムの割礼の契約について語る。それは、この説教の最後に、神に聞き従わないユダヤ人たちを「かたくなで、心と耳とに割礼を受けていない人たち。あなたがたは、父祖たちと同様に、いつも聖霊に逆らっている」(51)と、厳しく非難するための伏線となった。
心の覆いを取り除いて、ことばに従い、試練の中でも主を見上げ、歩んでいきたい。「信仰の父」よりも優れたお方、信仰の創始者であり、完成者であるイエス・キリストを見上げつつ。