しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい。(創世記6:18)
聖書は、「ノアは、正しい人……全き人であった。」(9)とノアを評価する。もちろん人間は皆、生まれながらにして罪人であるが、「ノアは神とともに歩んだ」とあるとおり、神の心を知り、自分をわきまえ、神とともに歩む人を、神は「正しく、全き人」とみなしてくださる。
しかし、「地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた」(11)。それをご覧になった神は、今からなさろうとすることをノアに打ち明ける。「それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている」(13)と。そして、大洪水を起こすことを告げ、巨大な箱舟を造ることを命じる。
さらに神は「わたしは、あなたと契約を結ぼう」(18)とノアに語る。神の前に人間は何も申し上げられない存在であり、神は人間を自由に処分する権利を持っておられる。それなのに、人と契約を結ばれ、人が幸せになる道を神は用意された。何と驚くべきことであろうか。ここに神の愛がある。
「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った」(22)。恐らく多くの人の嘲笑を浴びたことであろう。しかし、彼はそれらをものともせずに、100年かけて箱舟を造り上げた。ノアは神のことばに従い、神の救いを全うしたのである。神はノアに、家族と一緒に箱舟に入るように命じる。神の救いは、個人にとどまらず、家族に、周りの人に広がっていく。
私たちは、神が一方的に備えてくださった救いを信じ、受け取り、この世の終わりの時に備えていよう。そして救いが家族に、周りに広がっていくことを、祈り願っていこう。